コメディ・ライト小説(新)
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- レンと仲間の謎の夢
- 日時: 2017/03/28 17:11
- 名前: クーゲルシュライバー(ポッポ) (ID: Pvby2f.0)
- 参照: http://www.kakiko.info/profiles/index.cgi?no=11731
ここは我々がいる惑星、地球から、とても程遠い星、アイマックス。その星には人の影は一切なく、クマ族とハムスター族が暮らしている。
今から語られるのは、その星に住む、とある戦士とその仲間たちの物語。
「はっ、せいっ、といやー!!」
クマ族の戦士――レン――が、剣を無造作に振り回す。
「ちょっと、危ないじゃない‼」
ハムスター族のムードメーカーである、ナッツが顔をしかめる。しかし、その一撃は木の板に命中する。修行の成果が出ているのは明らかだ。
「まあまあ、特訓の成果が出ていることですし...。」
そう言うのはハムスター族の天才、テラだ。その手には、創生者の杖が光っている。
「それはそうと、二人共、もう夜ですが...。帰らないのですか?」
「なんですとぉ!?」
レンとナッツは目を合わせる。そしてテラがまばたきをしたときには二人はもういなかった。
その夜。
レンとナッツ、テラがまさか夢の世界で大事件に巻き込まれるなど、誰も知るはずがない。
《INDEX》※コメントアリです!ご了承下さい!
一章 夢現の渦・4つの宝剣を求めて
>>0-20
二章 異次元の狭間に潜むもの
>>21-31
三章 夢の世界の支配者
>>32-40
四章 きらめくもうひとつの世界
>>41-43
あとがき
>>44
オマケ レンの『ゴクフツー』の一日
>>45
- レンと仲間の謎の夢 ( No.29 )
- 日時: 2017/03/27 16:48
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
基地はまるで日本で言う、東京都が2個分入るような大きさだった。あちこちに化け物が物を運んだり、殴り合いをしたり、遊んでいたりしている。
そんな化け物の目を盗みつつ、レンはソーッと、物を運んでいる化け物の後を追った。どこに運んでいるのか気になったからだ。
「ナッツとテラは...ここにいるのかなぁ?」
レンは首を傾げながら、化け物が向かうところの末路を追う。
やがて、化け物は大きいような小さいような城に入っていき、鍵を掛けていった。
「くそー、これじゃあ中にいけなくなるじゃないか。僕のことも考えてほしいね!」
ムキー!と、目をメラメラと燃やすレン。というか、レンが自分の後を追っているなど、後ろを向かなかった化け物が知るわけないだろう。
「こうなったら力ずくじゃァー!!」
レンはそう言い、城の壁を壊そうとした。
が。
ドス、ドス、ドス、ドス...。
後ろから、巨人が歩いてくるような音がした。
ハッと後ろを向いたレン。その視線の先には...。
異次元で会ったあの猛獣だった!
「げっ!」
後ずさるレン。しかし、猛獣は近づいてくる。
ああ、母さん。僕の人生は今、終わります。
そう思っていたレンだったが...。
猛獣はピタリと止まり、レンの身体をしみじみと見つめた。襲うような気配はしない。
「え...。」
思わず驚きのあまり声を出すレン。
そして。
「オマエハ『イツワリノシハイシャ』ヲタオシニヤッテキタノカ?」
猛獣が口を開いた。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.30 )
- 日時: 2017/03/28 16:35
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
「ん?んんん?」
レンの目はハプニングマークになる。敵と思っていた奴に、あっちの方から話されてびっくりするのは当然だろう。
「ナニヲソンナニオドロイテイル?」
猛獣が顔をしかめる。そして、ふう、とため息をつくと、こう言った。
「オレハルナシー。ユメノセカイノシハイシャサ。オマエハダレダ?」
「な、なな、なんですとぉ!!!?」
驚きに負け、尻もちをつくレン。ルナシーって、現実を破壊する危険な存在だったんじゃ...。
レンの事を知らない、ということは...。
「つまり、君は僕らをドリームマックスに送り込んでないの?」
レンの質問にこくりと首肯くルナシー。
「そ、そんじゃあ、現実を破壊する、ってのは真っ赤な嘘...?」
「イッタコトスラナイセカイヲ、ハカイシニイクワケガナイダロウ?」
ルナシーが口を開ける。そう言えば、現実にもルナシーなんてやつ、いなかったもんなぁ...。って、ん?
レンの頭を素朴な疑問が走る。
「じゃあ、現実を破壊するやつは誰?僕らをドリームマックスに送り込んできたのは?」
「...オマエ、ダレノシジニシタガッタ?」
レンの質問を無視して、ルナシーがレンに聞く。
「え?分からないと思うけど...光りだよ。森と砂漠で会った光り。」
レンがそう言うと、ルナシーは目を丸くした。
「オマエ...ダマサレテルゾ!」
「え?」
余りに出てきた真実に顔をしかめるレン。
「ソイツラは『偽リノ光リ』。暗黒の陰陽師『エルサレム』ノ化身ダ。」
「でぇぇ~~!?」
大声で叫ぶレン。
「キット、ジカンカセギシタニチガイナイナ...。」
ルナシーが舌打ちした、その時。
城の天井から黒い塊が出てきた。その塊は、基地の真上でプカプカ浮いている。
「ヤバイナ...。モウ少シデ現実ガ破壊サレル。」
ルナシーはそう言うと、城の壁の一部を拳一つで破壊した。
「オマエガスベテノ希望ダ。イケ!!」
余りにも唐突な真実にレンは迷っていたが。
「後は任せてよ!」
レンはそう言うと、人間の身体と希望と共に、城の中へ入っていった。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.31 )
- 日時: 2017/03/28 17:09
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: Pvby2f.0)
レンは階段を駆け上がる。出来る限りの速さで登って行く。
しばらくして。
「ここに、黒幕がいるのかな?」
レンは最上階に足を伸ばし、大きな扉を見上げる。いかにも王室らしい扉だ。
「お前がこの全ての黒幕か!?」
レンは王室の扉をバン!と蹴る。目の前には、女二人と男一人。
「レン...レンなの?」
「あれはレンですよ!姿は違いますがレンです!」
一人の女と男がレンを見る。その目を見て、レンは誰だか想像がついた。
「ナッツ、テラ!」
レンが言う。ナッツは女神のような、テラは大魔導師のような姿をしている。
「レンが無事で良かったわ!」
「無事で何よりです!」
こちらに駆け寄るナッツとテラ。
すると、一人の女がため息をついた。
「ルナシーは、殺ってくれなかったのかしら...。」
女の声を聞くと、レンは改めて剣を構える。
「ルナシーは、僕を助けてくれたよ。...それより、お前は誰だ!」
レンに対しフフ、と笑う女。
「私はエルサレム。『かつては』暗黒の陰陽師と呼ばれし者よ。」
エルサレム。ルナシーが言っていたやつだ。こいつが、全ての黒幕か...。レンの顔を、汗が通る。
「そんなことはどうでもいいの。ああ、もうすぐよ、完成するの。私が支配者となる理想郷が!」
アハハハハと笑うエルサレム。その笑い声は、まるで狂った廃人のようだ。
「お前の求める理想郷は、全てがもがき苦しむ地獄だよ!ナッツ、テラ!行こう!」
「分かったわ!」
「あなたのやることを止めてみせます!」
三人はそう言うと、戦闘体制に取りかかる。
「いいでしょう。貴方達はここが墓場になるのよ。喜んで死になさい。」
エルサレムは余裕の笑みを浮かべていた。
こうして、この事件の終止符を打つ戦いが始まった。
かけるのは、夢や現実どころではない。
夢や現実に眠る小さな希望も、だ。
勝つのは、希望か、それとも力か。
史上最大のパーティーが、始まろうとしていた────!
二章 了
三章に続く
- レンと仲間の謎の夢 ( No.32 )
- 日時: 2017/04/03 16:43
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: oq/GQDEH)
「僕から行かせて貰います!ていやっ!!」
そう言い、テラはマシンロッドを操りつつ、エルサレムに魔法を連発する。マシンロッドは魔法をマシンガンのように連発できるのだ。
だが、エルサレムはバリアを張り、テラの魔法攻撃を防ぐ。
「くそっ、こうなったら!!」
テラはマシンロッドの先端部に魔法を集める。杖ならではの魔法吸収特技だ。
その間に、レンが光を剣に集め、真光剣を放ち、エルサレムにあてる。
エルサレムはその攻撃を真っ正面から受け、後ろに吹っ飛ばされた。
「よぉし、これを受けなさい!」
ナッツが魔法の木で出来た弓矢、ランクルアローを構え、エルサレムに視点を合わせる。そして、矢を打ち放った。
エルサレムはその攻撃をまともに食らう。
「さあ、これでとどめです。てやぁ!」
レンとナッツがエルサレムを攻めていた間に、魔法を集めていたテラが、魔法の塊をエルサレムに向かって投げ出した。
ドガァン!!!
派手な音が周囲を支配する。エルサレムの姿は...無かった。
「まさか...倒したの?」
レンは恐るおそる口を開ける。
「...きっと、倒したんですよ!!」
やったぁ!という目でテラが跳ね上がる。
「これで、アイマックスに帰れるのね!」
ナッツがホッとして手を合わせる。
だが、運命はそう優しくなかった。
「フフ...フフフ...アッハハハハ!!」
周囲に、不気味で耳障りな笑い声が響き渡る。
「!?」
驚きのあまり辺りを見回すレン達。
「あ、あれは!」
レンが城の塔を指指す。その先には、エルサレムがニヤリと笑みを浮かべていた。
- レンと仲間の謎の夢 ( No.33 )
- 日時: 2017/04/03 17:05
- 名前: クーゲルシュライバー (ID: oq/GQDEH)
「ええっ!?」
三人は声をあげる。
「三人の力と希望、拝見させてもらったわよ。」
パチパチと拍手するエルサレム。その拍手さえとても不気味で、レン達は背筋が凍りそうになった。
「そ、それじゃあ、さっきのは...?」
テラが震えた口調で言う。エルサレムはフフ、と鼻で笑う。
「あれは蜃気楼。偽りの私よ。貴方達の力と希望だけは褒めてあげるわ。」
そう言うと、彼女は塔から飛び降りてきた。だが、その体は傷ついていない。
「けれど、その努力も終わり。貴方達の目に映るものは、この景色が最期になるわ。」
エルサレムは微笑むと、急にナッツに向かって蹴りを喰らわせた。
「ゴホッ...!」
ナッツはバタリと倒れる。一回の蹴りだけで人を窮地に追いやるなど、さすがは『暗黒の陰陽師』だ。まぁ、ナッツが女の子という理由もあるが。
「ナッツ!」
テラがナッツに駆け寄ろうとする。
だが、エルサレムは裾からナイフを取り出すと、テラの足にグサリと差し込んだ。
「ぐあっ!」
テラはよろめき、その場に座り込む。
「こうなったら...てやぁーー!!」
レンはエルサレムに剣を向けると、剣と共に前へ走り出す。
しかし。
「雑魚が調子に乗るんじゃないわよ。」
エルサレムはレンを物凄い目付きで睨んできた。
「...!」
レンはその睨みに恐怖を覚え、後ろに後すざる。
そして、剣先を下に向けてしまった。